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彼岸の図書館

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著者 / 青木真兵・青木海青子 発行 / 夕書房 2019年10月7日 初版第1刷発行 四六判 / 288頁 命からがらたどり着いた奈良県東吉野村でぼくたちが始めたのは、自宅を図書館として開くことだった—— 「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」という「実験」のはじまりとこれから ------ 古代地中海研究者の夫・真兵と、大学図書館司書の妻・海青子。夫婦そろって体調を崩した4年前、都会から逃げるようにして向かったのは、人口わずか1700人の奈良県東吉野村。 大和の山々の奥深く、川の向こうの杉林の先にある小さな古民家に移り住んだ2人は、居間に自らの蔵書を開架する「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」を開設します。 訪れるさまざまな人たちとの対話を重ねるうち、「ルチャ・リブロ」は単なる私設図書館を超え、山村における人文知の拠点へと発展していきます。 本書は、青木夫妻が移住を決意してから「ルチャ・リブロ」を立ち上げ、「土着人類学研究会」を開催しながら、現代社会の価値観に縛られない「異界」としての知の拠点を構築していくまでの「社会実験」の様子を、12の対話とエッセイで綴る、かつてない「闘う移住本」です。 ------ 【対談者】 内田樹(思想家・武道家)/光嶋裕介(建築家)/神吉直人(経営学者)/坂本大祐(デザイナー)/東千茅(耕さない農耕民)/太田明日香(ライター)/野村俊介(茶園経営)/小松原駿(蔵人)/鈴木塁(ウェブ制作) (夕書房のサイトより) (青木)そうか! 「正解のない時代」というのはそういうことなんですね。北極星を見ながら自分の方角を確かめつつ、とぼとぼ歩くというような感覚。遠いところに思いを馳せつつ、日々の生活を送ると。 (内田)これからの時代、目の前の風景はどんどん変わってゆくんだと思う。その時々に適切な判断をするためには、かなり遠距離のところに、動かない尺度をしっかり持っていないとね。 ——移住前夜2 / p46より それまでは「〇〇が揃っていないと」と考えがちでしたが、気がつけば自分で自分に「あんさん、こんな山の中でそれを言うたかて」とツッコミを入れるようになっています。周囲にいる友人は皆てんでバラバラに楽しく暮らしていて、「あっちにはあれがあるけど、うちにはない」と比較しようがありません。引っ越してきた当初は「あれも足りん、これも足りん」と思っていましたが、今は大して状況は変わっていないのに、何もかもここにあるような心持ちです。飢餓感が薄くて、やたらと事足りている。ほんの少ししかできていないかもしれないけど、その少しで大喜びできます。 ——できるのハードル / p150より 人はどのように生きていくべきなのでしょうか。そもそも人って何なのでしょう。ぼくは、人間に常に合理的な判断を下せるような生き物ではないし、因果関係がはっきりわかる形の中だけで生きていくことはできないと思っています。なんだか気持ち悪いとか、理由はないけどこっちに行きたいとか、わかっちゃいるけどやめられないとか、いつもはできるのに今日はできないとか、そうした「不安定な部分」によって基礎づけられているのが人間です。 ——地に足をつける / p273より [目次] はじめに 1 命からがらの「移住」  移住前夜1(内田樹×青木真兵)  移住前夜2(内田樹×青木真兵)  理想の大家さんと出会う(青木真兵)  あわいの空間(青木海青子)  ぼくらの移住道(鈴木塁×青木真兵)  限界集落と自己責任(青木海青子×青木真兵)  「ちょうどいい」を基準に(青木真兵)  命からがら(青木海青子) 2 籠ること、開くこと  「マイ凱風館」を持つ(光嶋裕介×青木真兵)  職業・奪衣婆(青木海青子)  とりあえず、十年先の地方(内田樹×青木真兵)  できるのハードル(青木海青子)  あいつ、給料出なくなっても図書館やってる  (青木海青子)  村で未来を語る(坂本大祐×青木真兵)  「仕事」と「稼ぎ」の境界線  (神吉直人×東千茅×青木真兵)  優しさ問題(青木海青子) 3 土着の時代へ  生命力を高める場(光嶋裕介×青木真兵)  生命力が単位の社会へ(青木真兵)  成長したり、しなかったりする有機体(青木海青子)  あたらしい家族のかたち(太田明日香×青木真兵)  近くてゆっくり楽しむ(野村俊介×小松原駿×青木真兵)   「大人」が多数を占める社会へ(青木真兵)  これからの「プラットフォーム」をつくる  (内田樹×青木真兵×青木海青子)  地に足をつける(青木真兵) おわりに 初出一覧

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