発行 / 筑摩書房
2024年7月10日 初版第一刷発行
新書判 / 224頁
ひとの配偶者の呼び方がむずかしいのはなぜ?
ことばと社会のこんがらがった相互関係をのぞきこみ、私たちがもつ「言語観」を明らかにし、変化をうながす。
ことばと社会のこんがらがった相互関係をのぞきこみ、
私たちがもつ「言語観」を明らかにし、変化をうながす。
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言葉は社会を駆け巡り変化をもたらす。
本書はその旅路を見せてくれる。
——三木那由他さん(『会話を哲学する』『言葉の展望台』)
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ことばは社会の見方や価値観をゆるがす一方で、
社会もまたことばの使われ方に影響を与えている。
新しいことばのインパクトとそれに対する抵抗や躊躇、
こんがらがった関係を事例とともにのぞきこみながら、
私たちがもつ隠れた意識を明らかにし、変化をうながす。
(版元のサイトより)
「ことばが社会を変える」ことを表している典型例が、日本社会に衝撃的な影響を与えた「セクハラ」ということばだ。
二〇二〇年代の現在では、ほとんどの人が「セクハラ」ということばを知っている。しかし、このことばがどのように普及したのかは、よく知られていないのではないだろうか。
——第一章 「セクハラ」は社会の何を変えた? / p30より
一九八〇年代の日本では、「異性愛」ということばは知られていなかった。そう気付いて『広辞苑』を確認したら、「同性愛」は一九五五年の第一版から載っているが、「異性愛」が記載されたのは、二〇〇八年の第六版からだった。なぜ、このような「時差」が生まれたのか?
第一章で見た「セクハラ」の場合と同じように、「異性愛」ということばがなければ、異性愛について考えたり、人と話し合ったり、詳しく調べることは難しい。「異性愛」ということばの普及が遅れたのは、異性愛が、わざわざ言及する必要がないほど当たり前のことだったから。そして、当たり前にしておくのが、異性愛の人にとって都合が良かったからだ。
——第二章 戦略としての「あえて」と「ラベル」 / p64より
長いあいだ、「正しい言い方を選ぶ」ことに意識が向いていると、「自分の考えでことばを選ぶ」経験は減っていく。この二つの違いを、私自身が実感した出来事がある。
——第七章 「パートナーの呼び名問題」解決編 / p189より
[目次]
はじめに
第一章 「セクハラ」は社会の何を変えた?
第二章 戦略としての「あえて」と「ラベル」
第三章 流行語「女子」がもたらしたもの
第四章 “girl power” はなぜズレていったのか
第五章 誰が意味をはがされるのか
第六章 「ルール」を優先してしまう私たち
第七章 「パートナーの呼び名問題」解決編
おわりに
注