me and you
2022年8月20日 第1刷発行
四六変(122mm×192mm)/ 372頁
それがなんの役にたつのか? 今必要なのか? 効率性と速度を求める大きな言葉や流れのなかで問われると立ち止まってしまうけれど、立ち止まっていいのだとも思うのです。無数に存在するはずの一人ひとりの声が、容易い「わかりやすさ」や「扱いやすさ」に回収されて、見えない、聞こえないものにされていることに注意深くいられるように。大きなものに飲み込まれず、自分の速度で考えることを見失わず、借りてきた言葉でやり過ごさないでいられるように。
「a letter from 野村由芽」p.2より
me and youとは、「個人と個人の対話を出発点に、遠くの誰かにまで想像や語りを広げるための拠点」。
野村由芽さんと、竹中万季さんによって、2021年の春に立ち上げられました。
この本には、me and youが掲げる6つの灯火——me and youとして大事にしたいこと、守っていきたいこと——をめぐり、13人の方と交わした対話が収められています。
フェミニズム、ジェンダー、こころとケア、目に見えないこと、戦争、わからなさについて、世代と変化の話、差別、社会運動——
社会的なことから個人的なことまで、内容は多岐に渡りながら「私たちみんなにとって、いま生きている場所が、心から安らいでいられるところになるように」という願いが通底しています。
この本を読むときに感じる安心感と幸福感、静かに力が満ちてくる感覚は、me and youの性格によるところが大きいように思います。
me and youがどのような場であり、なにを目指しているのか。ぜひ知っていただきたい内容なので、少し長くなりますが、本文を引用してご紹介します。
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ジェンダーやセクシュアリティ、心とからだ、
格差、差別などの複雑に絡み合った社会の問題。
歴史のなかでつくられた構造によって
思い込まされていた、思い込んでいた自分の捉え方。
変わりゆく世界で
揺れ動きながらも翻弄されないためには、
自分を思い出せる速度まで歩をゆるめ
自分自身の言葉を探すこと。
わたしもあなたも祝福するためには、
複雑なものを複雑なままうけとめて
可能性の発見を重ねていくこと。
me and youは、
一人ひとりの声で問い、小さな主語で対話して、
さまよいながらも考え続けられる時間と場所をあたためていきます。
枠組みや関係性をときほぐして、結びなおす。
誰の物語も単純ではないのだと。
わたしとあなたは確かにここにいて、時おり偶然、手をとって。
揺れ動きながらも考え続ける、未知へと歩き出すその過程が、
いつだってどこにいたって手づくりの安心となって、
不確かな世界を照らし
まっすぐわたしたちを包み込みますように。
「me and you little magazine & club メッセージ」p.364より
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この本を読み終えるとき、背にそっと手を添えてくれるような、確かな味方を得ることと思います。
すべての人に届いてほしい一冊です。
目次
me and youからあなたへ —— はじめに
a letter from 野村由芽
a letter from 竹中万季
i meet you —— 13人のあなたに会う
清水晶子さんに会う
秋田祥さんに会う
伊藤絵美さんに会う
武田砂鉄さんに会う
ドミニク・チェンさんに会う
小林エリカさんに会う
穂村弘さんに会う
竹田ダニエルさんに会う
ブライアン・ヒューさんに会う
ソン・スンリエンさんに会う
ジェイ・リンさんに会う
バイロン・デュヴェルさんに会う
イ・ランさんに会う
作品案内 —— 対話の先に
me and youからあなたへ —— 小さな光のために
me and you little magazine & clubのこと
クラウドファンディングにご支援いただいたみなさま