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著者 / 宮野真生子・磯野真穂
発行 / 晶文社
2019年9月25日 初版
四六判 / 256頁
もし明日、急に重い病気になったら——
見えない未来に立ち向かうすべての人に。
哲学者と人類学者の間で交わされる「病」をめぐる言葉の全力投球。共に人生の軌跡を刻んで生きることへの覚悟とは。信頼と約束とそして勇気の物語。
もし、あなたが重病に罹り、残り僅かの命言われたら、どのように死と向き合い、人生を歩みますか? もし、あなたが死に向き合う人と出会ったら、あなたはその人と何を語り、どんな関係を築きますか?
がんの転移を経験しながら生き抜く哲学者と、臨床現場の調査を積み重ねた人類学者が、死と生、別れと出会い、そして出会いを新たな始まりに変えることを巡り、20年の学問キャリアと互いの人生を賭けて交わした20通の往復書簡。
(晶文社のサイトより)
もともと、この本で私が磯野さんと語り合ってみようと往復書簡を提案したときに考えていたのは、もちろん自分が身体にガンを飼っているということをいかに捉えるのかという問題はありましたが、もっと広く、そうした病を抱えて生きることの不確定性やリスクの問題を、磯野さんと専門的に深めてみようという学問的な野心がありました。
そのため前半はゆっくりと生と死に限らず、身体とリスクをめぐる話が、しかし、主に私のガン闘病を中心にいささかのんびりと流れて行きます。
ところが、この原稿を書いている最中に「ほんとうに急に具合が悪くなる」ことが起こってしまった。そこからこの書簡は色合いを変えていきます。
——はじめに / p10より
でも宮野さんは、自分のあれこれが他人の領域に入り込み、それで他人がざわざわすることはあってはならないと、掟といっては大げさかもしれないけど、そんな決まりを自分に課して生きてきたのではないでしょうか。自分の命がもうすぐ終わるかもしれない、そんな極限状態に自分が置かれていたとしても、そしてその生き方は、宮野さんなりの自分の守り方なのかな。そんな気もします。
——4便 周造さん / p81より
たしかに、私たちは自分のラインを引きたい。自分の存在を守り、残したい。もし、そう思うなら、いまラインが引かれている場へと降り立たねばならない。それは、一人に閉じた時間ではなく、多くの点たちがラインを引こうと苦闘している、その時間の厚みのなかに成立する世界のはずです。「受取勘定をどれほど遠い未来に延ばし得るか」と三木は言います。死に運命付けられ、消滅するだけの点であっても、世界に産み落とされた以上、その受取勘定を、自分を超えた先の未来に託すことができる。
——9便 世界を抜けてラインを描け! / p200より
[目次]
はじめに
1便 急に具合が悪くなる
2便 何がいまを照らすのか
3便 四連敗と代替療法
4便 周造さん
5便 不運と妖術
6便 転換とか、飛躍とか
7便 「お大事に」が使えない
8便 エースの仕事
9便 世界を抜けてラインを描け!
10便 ほんとうに、急に具合が悪くなる
『急に具合が悪くなる』の舞台裏
謝辞
付記