発行 / ナナロク社
2021年11月11日 初版第一刷発行
四六変 / 224頁
【100のお題から生まれた100の短歌を収録】
歌人・木下龍也さんが「お題」を受けて作歌する短歌の個人販売プロジェクト「あなたのための短歌」が一冊の歌集になりました。
依頼者の協力を得て、これまで作歌した700首の中から100題100首を一冊に収めました。歌人がひとりの想い(お題)と向き合うことで生まれた短歌が詰まった歌集です。
(ナナロク社のサイトより)
019 愛はできる限り比べることのない絶対的なものであってほしい。相対的な評価で愛されるのは不愉快です。絶対的な愛を短歌にしてください。
服を脱ぐたびにあなたは神様を辞めてわたしの獣になった
——本書所収のお題「019」より
055 「生まれかわる」で短歌をお願いします。
水滴をまとうトマトが思い出す人間だったころの戒名
——本書所収のお題「055」より
100 生きたいと思えるような短歌をください。
君という火種で燃えるべきつらくさみしい薪があるんだ、おいで。
——本書所収のお題「100」より
ふりかえってみれば僕もそうだったのだ。短歌を始めるまえに、本屋さんで初めて歌集を開いたとき、そこに書かれているどの一首も、僕のためにつくられたわけではないのに、僕のために書かれたものであるかのように記憶し、お守りにしていた日々があったのだ。「あなたのための短歌1首」は、あなた以外のあなたのためにもなるのかもしれない。そう思って、僕の心は揺れたが、懸念はまだほかにもあった。
——あとがきより