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発行 / 皓星社
2026年5月30日 初版第1刷発行
四六判 / 264頁
社会は「デモ」で変えられる。
日韓の比較から考える、政治と文化の交差点。
2024年冬、韓国で起きた非常戒厳令事態に対して、尹錫悦元大統領の弾劾を求めるデモには100万人を超える市民が参加した。広場にはペンライトの光とユニークな旗が溢れる多層的な連帯の光景が広がり、新しいデモの形として注目を集めている。
人から人へ思いをつなげる「デモ」という手段は、どのように拡張され、どのように社会を変えてきたのか? 「デモに出た方が精神的に救われた」というメディア人類学者の著者が、日韓を合わせ鏡として民主主義の果てない途上を読み解く。
(版元のサイトより)
本書は、二〇二四年に韓国で発生した政治的異変——突如とした非常戒厳令と、その後に展開された一連の出来事——を手がかりに、現代社会におけるデモを考察する本である。ただし、単にデモという社会現象そのものを記述することが目的ではない。デモを通じて、私たちが直面している思想的・文化的・実践的変容を見つめ、ポスト・コロナ時代に著しく揺らぎ始めている民主主義を再考するための視座を提示することを目指している。
——はじめに / p13より
二十一世紀の大規模なデモにおける決定的な特徴とは、それが単なる政治的スローガンの発信にとどまらないという点である。現場では参加者一人ひとりの身体や声、遊び心を通じて、多種多様な「表現」が同時多発的に生み出される。このダイナミックな光景をめぐり、参加者たちがデモを「楽しさ」や「共感」の経験として語り始める一方で、政治的実践としての切実さへの懐疑や安易な「エンタメ化」を危惧する声も根強い。
——第3章 多声性、遊び心、アイデンティティの転覆 / p104より
韓国にも以前から極端的な右派勢力は存在した。日本による植民地支配からの解放後、現代国家システムを築いていく過程で、思想的混乱は必然的なものだった。資本主義陣営を代表するアメリカと、共産主義陣営を代表するソ連によって朝鮮半島が二分され、さらに朝鮮戦争という惨禍を経る中で、強固な反共主義を基盤とする保守思想が根強く定着した。
——第5章 「極右デモ」をどう理解する? / p192より
[目次]
本書関連年表
はじめに
第1章 デモとは何か?
第2章 揺らぐ民主主義と立ち上がる韓国市民
コラム1 「占拠」という行為の意味——オキュパイ運動
第3章 多声性、遊び心、アイデンティティの転覆
第4章 デジャボからミームへ、抵抗メディアの系譜
第5章 「極右デモ」をどう理解する?
コラム2 幽霊になった市民——ホログラム・デモ
第6章 日本市民の「静けさ」を読み解く
おわりに
参考文献