palmbooks
2024年8月1日 発行
四六判 (127mm×188mm) / 144頁
僕は普段、本を書いたり、絵を描いたり、歌を歌ったり、陶芸をしたり、ガラスを吹いたり、セーターを編んだりする。就職活動は一度もしたことがなく、ずっと何か作って生きのびてきた。(…)その日の気分で生きられている時は心地よい風が吹き抜けるが、「きちんと」「ちゃんと」やらなくちゃいけないと人から言われながら行動するとすぐ窮屈になって、鬱状態に陥る。だからこそ、自分なりの生活をゼロから作る必要があった。
——畑をはじめて / p9より
十歳のゲンは歯を磨くのが好きじゃない。わが家では好きじゃないことはしなくてもいいことにしている。そうやって考えると、すごく気持ちが楽になるからだ。僕も好きじゃないことはやりたくない。誰だってそうである。
——ゲンと虫歯 / p51より
自分を信頼するという技術は大学受験より難しいが、塾もなければ教えてくれる人もほとんどいない。ほとんどの人が日々の忙しさでなんとか麻痺させて向き合わないでいる。
——あとがき / p134より
「ずっと向き合えずにいた寂しさの正体がわかったことで、僕ははじめて、自分を信頼できるようになった。」
コロナ禍にはじめた畑。熊本の土地とたいせつなひとたちとの出会い。うれしさも苦しさも分かち合える家族との昼夜をへて、僕は自分のなかにいた、もうひとりの大事な存在と出会った。日々を綴るエッセイの先に待つ、あらたな境地へといたる生の軌跡。
(帯文より)
[目次]
畑をはじめて
四年目の畑
安全地帯
ふたりとの出会い
無償で助け合う
外の世界に夢中
鬱は大事な休息
先祖めぐり その一
先祖めぐり その二
先祖めぐり その三
生きるための絵
背中を押された娘の言葉
自分を褒める習慣
ゲンの背中を掻く毎日
アオにマッサージをする夜
不知火忌
その人の「町」
泉との出会い その一
泉との出会い その二
わらしべ長者
ゲンと虫歯
両親と小旅行
助けた亀は戻ってくる
建てない建築家
ゲンの良いところ
人生に無駄なし
プライベートパブリック
声を拾い集める
師匠の見つけ方
新しい病院の設計
海から呼ばれている
親友の優しさ
アオのアドバイス
やるだけやって怒られる
絶対に大丈夫
子どもが一番の薬
伯母が歩いた
イスタンブールは実家
自殺者をなくす方法 その一
自殺者をなくす方法 その二
ピザ修業でナポリへ
学校に行かない君へ
創作すること
鬱になる
脆弱だからこそ持続する
興味はないのか?
思いつきノート
手に預ける
助けてくれるみなさんへ
寂しさが笑顔に変わる
あとがき