2024年10月11日 初版第1刷
B6変 / 84頁
タイトルの通り、シリーズものの書き下ろしエッセイ。
毎回さまざまなテーマをもうけて「人」を描いてゆきたいと思っています。
vol.1は、「アルバイト先で出会った人たち」。
20年間で、33個のアルバイトをしました。
その中で出会った、もし出会わなくても人生は変わらないのだろうに、出会わなかったら考えると人生が味気ないものに感じられてくる人たちのことを書いた、13篇を収録しています。
なぜアルバイトかというと、その辺りのことはプロローグに書いているのですが、『やさしいせかい』を出したとき、「沢山のバイトしてきたんですね」と何人かのかたが興味を持ってくださいました。
沢山のアルバイトをした、という記憶より、そこで沢山の人に出会い、ほとんどがもう会い交わることのない人たちで、憶えていてもしょうのないようなことほどいつまでも憶えている、そのことをお日様にあてるみたいに胸のうちからだして、本にしようと思ったからでした。
(著者のInstagram投稿より)
たえず、いろんな人と出会った。
仮に出会わなかったとしても、人生はさほど変わらないのだろうに、もし出会わなかったらと考えると人生が味気ないものに感じられてくる、そんな人たち。
そういう人が、人生ではずっと多い。そういう人のほうが、何だかいつまでも胸の隅でさもありなんとして、いる。そういう人びとのことを、お日さまにあてるような気持ちでこの小さい本を書く。
——プロローグ / p5より
夏井さんは目をぱちぱちさせて、豆腐みたいになめらかに言う。いいことがあったみたいに言う。生きる張りあいだと言わんばかりに言う。
——コンビニの夏井さん / p31より
心のざくざく削れる音をききつづけた夏だった。
——研修講師の佐々木さん / p70より
[目次]
プロローグ
西太子堂の爺さん
配膳の花本さん
葬儀会社のG
コンビニの夏井さん
豚骨ラーメン屋の人たち
メキシコ料理屋の人たち
世田谷のみどりさん
六本木のバーの人たち
不動産屋の安田さん
リゾートホテルのお局と沢田さん
高層マンションの人たち
研修講師の佐々木さん
展示会の才田さん