発行 / 講談社
2025年3月25日 第1刷発行
四六判 / 256頁
彼女たちの涙の意味が、ふとわかる瞬間がある。
明治・大正・昭和——およそ100年前、結婚ではないパートナーシップを選びとった女性たちがいた。
残された数少ない資料と貴重な証言を手がかりに、その知られざる歩みをたどる。
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脚本家・吉田恵里香さん推薦!
女が「普通」の道から外れると、なぜか事細かな理由や背景を求められる。誰かが縛った「普通」ではなく、人生の選択肢や彩りは自分で決めるべきだ。この本には自らの道を進んできた愛と傷の歴史が詰まっている。
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「「女性」を歴史に残すこと、歴史のなかの生活が軽視されがちなこの社会で、ふたり暮らしを実践した人たちの、消えそうな足跡をたどってみたい。」
(講談社のサイトより)
家制度があった時代、女性は「家」のために結婚して子どもを生み育てるのが普通だった。そう信じている人は多いだろう。でも、それはどの程度、真実だったのだろう。
もしかしたら、結婚や出産などの役割を拒んだ人、拒みたかった人もいたのではないだろうか? ただ「正史」から見えなくされてきただけで、結婚ではないパートナーシップを選びとっていた人も思った以上にいたのではないか。
——序章 / p6より
「生産性」だとか、男女の結婚を「標準的な形」とする言葉の暴力によって、その人本来の姿をゆがめる差別もまた、説明のつかない不合理である。「あるべき姿」から外れる人を「異常」とみて排除するのは、雅英(きよ子)やてふ子のような人々を歴史の淵に押し込める。ふたりのような生活を見つめ直すことで、不合理を生み出す政治を暴き、「家族」の意味を少しでもずらしていくべきだろう。そして、それを体現したふたり暮らしはたしかにあった。それが事実で、歴史で、人が生きるということなのだから。
——第2章 帝国日本とふたり暮らし / p123より
ほんの一瞬でも、かけがえのない出会いが心にとどまり、生きていける。そんな感情が時代を超えて、性別も国境も規範も——この世で私たちを縛る枷を軽やかに砕き、分断する境界を越えてみせることだってあるのだ。
——あとがき / p241より
[目次]
序章 ふたりだけの部屋で生きる
第1章 語られなかったふたり暮らし
——人見絹枝と藤村蝶
第2章 帝国日本とふたり暮らし
——飛行士たち
馬淵てふ子と長山きよ子
木部シゲノと〇〇
第3章 主従関係とふたり暮らし——五代藍子と徳本うめ
第4章 語り継がれるふたり暮らし——斎藤すみと"芳江"
あとがき
参考文献