{{detailCtrl.mainImageIndex + 1}}/4

リチとの遭遇 / オカワダアキナ

900円

送料についてはこちら

  • 帯あり

    ¥900

  • 帯なし

    ¥900

    残り1点

2023年5月21日 発行 A6判 / 72頁 こたつの天板をひっくり返すと麻雀のラシャだった。 あの緑色が現れると夜だった。 母屋の隣のプレハブ小屋で、父や祖父やその仕事仲間たちはいつも麻雀で遊んでいた。 それをじっと見つめる直行(なおゆき)の、父性と男性性へのコンプレックス、セクシュアリティの試行錯誤。 脈絡のない人生のさみしさやしくじりについて。 (著者のサイトより) 牛は雨の晩に出産するらしい。夜の雨は音もにおいも姿も隠してくれるからで、家畜の牛であってもその習性は残っているようだった。明け方前のまだ暗い時間。国道沿いの牛小屋から切なそうな鳴き声を聞いたことがあった。あれは母牛の分娩の声だったのか、周りの牛たちの励ましや祝福だったのか。非難かもしれない。どれでもないかもしれない。こっちが勝手にそのように思うだけで、牛が鳴くのはそういうことじゃない。 ——p15より 心身をぶっこわして会社を辞めることになったが、その結論に至るまで長かった。直行は自動車の部品メーカーに就職した。せっかく新卒で入ったのだから辞めたら損だ、もし辞めたら二度と正社員になれないとだましだましやっていた。会社を辞めたら人生が終わってしまうとかたく信じ込んでいた。 ——p32より 冗談のつもりなのか本気だったのか、リチ君はたしかに真剣な顔つきでやっていた。救出作業に取り組むレスキュー隊員の顔。というと言いすぎだろうか? 直行はリチ君の顔をじっと見ていた。自分が男の顔をじっと見る日が来るとは。 ——p53より

セール中のアイテム