13番館
2023年11月11日 初版第一刷発行
B6判 / 130頁
あたらしい月が始まる。昼頃に起こされて、のそのそと外へ出る。公園でレジャーシートを広げて読書をする。同居人が淹れてくれたホットチャイを啜りながら、ぶるぶるっと震える。日が落ちて寒くなってきた。なんとなく立ち寄った古着屋で3着増やしてしまう。たくさん言い訳をしながらスーパーに寄って、割引のパンを買い込む。しばらくの生きる糧である。
——3月1日(水)/ p24より
昼過ぎに起きる。図書館に本を返しに行く。土を触る近所のおじいさんに会釈する。挿し芽をしたキキョウがしおしおなので引っこ抜いてみると、一本だけ根が出ていた。葉っぱを減らしてもう一度地面に挿し込む。昨日のiさんからの丁寧なLINEに、優しさとかそういった忘れていた感覚を呼び起こされる。
午後、気圧が上昇する。床にくずおれ眠りこける。どうやっても、何を考えても動けない。
——4月30日(日)曇り 眠い / p56より
私は毎日死にたいと思わなくなって久しいが、今飲んでいる薬が悲しいという気持ちごと感情を殺してしまっているからだと思う。安定はするけれど、内面と見つめ合ったり苦しみを言語化したりすることはできない。このまま、一体どうして生きていけというのだろう。無理やり平坦になった感情は、果たして私のものなのだろうか。悲しくなるのは無意味だったのだろうか。
——6月18日(日)晴れ / p89より
2023/1/21~7/31の日記。
著者のほにさんは、同居人のきらさんと暮らしています。
仕事を辞めて2ヶ月〜8ヶ月目。
圧倒的な気圧の支配下にあるからだ、不安定なこころ、ねむけと不調がつきまとう日々。
アルバイトは週に1度。病院にゆく、デモにゆく、美術館にゆく。それから、ねむったり、植物を世話したり、公園で本を読んだり、ねむったり、夢をみたり、散歩したり、ねむったり——
怒り、苦しみ、もだえる、ままならない毎日を、全身で生きてゆくすがたを見守るような読書です。
どうしてか、その過程が、自分自身をケアすることになっている気がします。