かどでんこ
2024年3月29日 発行
A5判(147mm×210mm) / 42頁
本当は明らかに悲しくて寂しくて、人に大事にされたくて、すごく大切に扱われたくて、私が傷ついていることを、交通事故にあったり大事な人が殺された人みたいに分かりやすく認識されたくて、心配されたくて、抱きしめて欲しくて、(中略)この出来事が大きな出来事で数年かかって元に戻れなくてもおかしくないくらいのことだって認めて欲しくて、この出来事に絶句してほしくて、面白おかしく話す私の鎧をはいでほしくて、ゲロを吐くほど心配して欲しかった。
——後日談 / p36より
当時19歳だった著者が、バイト先の社員から受けたセクハラ発言。それに対して声をあげ、謝罪の会を開催したこと。当日の様子と、その後。また、セクハラ発言を受けてからの自分自身についても記されたzineです。
謝罪の場について、本書のなかで、著者は以下のように語っています(原文ママ)。
「知っての通り、セクハラ・パワハラを始めとしたハラスメントで負った傷や、ついて離れないトラウマ的体験は、謝罪の場を作ることで解決するものではありません。
謝罪の場を作ることは、被害の前と同じように、元通りに成り得ない穴ぼこを、少しでも埋める1つの方法です。(それは「納得」であったり、その事件が起きたことを双方または第三者が「認める」事で)。または、埋めるにも足らず、穴ぼこがどんな穴ぼこであるかを知るための1つの方法です。」
19歳の女性が、たった一人で戦わざるを得なかったことについて、そのあとも傷をかかえたまま生きていることについて、わたしたちは真剣に思いを馳せなければいけないのではないでしょうか。
このzineは、そのおおきな助けになってくれるはずです。
また、いままさに苦しさのなかにいるひとにも、ひとつの参考や事例として、もしくは自分自身への遠まわしなケアとして、手にとってほしい一冊です。
[目次]
はじめに
普通のバイトを始めた
1つ目の出来事 ~社員T~
1件目の出来事からの日々
2件目の出来事 ~社員Y~
ママと恋人、周囲のひとびと
〈人を殺したら殺人罪〉みたいにわかりやすかったら
いいのにどうしたらいいかわからないけど
泣き寝入りは腹たつからとりあえず書面に
することにした
偉いっぽい人に提出してみた
書面にした良さ
謝罪の会までの日々
こんなジンを作っておいて当日のことはほとんど
覚えてないっすけど地獄めな謝罪の会当日
後日談
あとがき