フルフラ堂
2022年1月11日 発行
B5判変形判(182mm×210mm) / 88頁
まちなみも ひといきれも
ひかりがあり うごきがある
それでもなお
はちみつがたれるような
しずかな諦念
——本書より
月明かりの下
あなたはそこにいる
夜風の錯覚ではなく
記憶の残像ではなく
詰まった不在
円を描いて
——本書より
ここでの「虚無」は言葉の意味として、日常的に用いられているものとは少しちがっている。というのも、そこにはまったくなにもないというのではなく、すべてが未分化のまま、可能性のかたまりとしてあるからだ。すべてがあるからこそ、なにもない、というのはとても興味深い。そしてここには創造性の秘密も隠されているようにも思える。そこに近接している時にこそ、あらゆるものになれる。
——本書より
長年の愛読書であるギリシア神話『変身物語』をイメージの源泉に、絵と詩を創作しました。
うつろい変容する儚さと、その中心にある台風の目のような不変性。その狂おしい神話世界に包まれて本書はできました。
鉛筆画の繊細なトーンを、お願いした印刷会社さんが見事に再現してくれました。画集としても見ごたえのある、装丁や紙の選定にこだわった一冊です。
(フルフラ堂のサイトより)