著者 / 土民生活流動体・よしのももこ
編者 / よしのももこ
発行 / 虹ブックス
2025年3月30日 初版第一刷発行
B6判 / 260頁
2025年4月、好評既刊『土民生活流動体書簡集(一)バックレ可(笑)』の第2弾となる『土民生活流動体書簡集(二)ケガレ上等ッ!』を刊行しました。
第1集は、芥川賞作家・山下澄人さんから「この本おもしろい」 とコメントをいただいたほか、「今後の私の人生の参考書にしたい一冊」「言語化できない自分に寄り添ってくれる文章」「大きな消費相撲から距離を取って《生きている》のチューニングを手元に置くための1つの実践例」など SNS で評され、小野寺伝助さん著「続・クソみたいな世界を生き抜くためのパンク的読書」では 「パンクのエッセンスが詰まりまくった名著」とのお言葉を頂戴しました。
そして、いよいよ第二集の登場です。第二集では土民生活流動体による書簡に加えて、「よしのももこノート」が始まります。内容も厚さもボリュームアップ!
前作に引き続きmoineauさんによるとっても素晴らしい装画でお届けいたします。
(虹霓社のnoteより)
わたしが今この人体を介して≪生きている≫をやっている日本と呼ばれるこのエリアでは人間が餓死に至る確率はとても低いということになっているらしい。確かに栄養状態も衛生状態も向上して、医学だって目覚ましい進歩を遂げたのだろうし、いつでもどこでもいろんなものが買えるし、お金を稼ぐ手段だっていろいろある。「なまけ者かよっぽど運が悪い人でもない限り、食べるものがスッカラカンになるなんてことはさすがにあり得ないでしょ笑」という設定を多くの人が採用しているようにも見える。そうかな?
——2通目 娘身売り / p22より
今わたしが≪生きている≫をやっている日本と呼ばれるこのエリアでは、なんとなくだけど専門家のほうがえらい、すごい、能力が高い、みたいな扱いをされているように見える。専門家がピラミッドの上の方で権威って書かれた印籠を振りかざしてるシーンをわりと見かける。
——9通目 フコドン誕生物語 / p112より
きれいに均された、見渡す限りの茶色い土の上に真っ直ぐ列をなして植えられたキャベツ、きれいに均された、見渡す限りの茶色い土の上に真っ直ぐ列をなして植えられたニンジン…こういう、本当に雑草の1本も生えていないつるっとした畑を見たときに「ちゃんとしたプロの畑だなぁ」と感じる人は多いんじゃないかと思うのですが、たぶん録音物もそれと同じことが起きていて、つるっとすればするほど「プロっぽく」なる。プロっぽくしたい人がつるっとさせるのは勝手だし好きにしたらいいけれど、畑とはそういうもんだ、録音物とはそういうもんだ、みたいな付箋を私のつくったものに貼る気は私にはありません。だっておもしろくないもん。
——私は幼い頃から曲をつくることが好きだったようで、 / p248より
[目次]
1通目 主食をどうするか
2通目 娘身売り
3通目 オフサイド/オンサイド
よしのももこの≪生きている≫は、
星の数ほどいる名も知らぬ野良プレイヤーたち、
4通目 思い込みの手
5通目 ≪食べる≫のデザイン
6通目 うごいている状態
農民福音学校の跡地に「立体農民研究所」という手書きの
看板があって、
7通目 自転車操業
8通目 フコドン
9通目 フコドン誕生物語
10通目 盛るゲーム
11通目 お金の単位
12通目 米アゲ
毎日毎日変化し続けている鶏たちと関わりあうことは、
13通目 肉サゲ
朝、目が覚めると隣で寝ているはずの連れ合いは
もういなくて、
14通目 付箋
東京から遠く離れたこの島へ移動するとき、
私は幼い頃から曲をつくることが好きだったようで、