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まちは言葉でできている / 西本千尋

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発行 / 柏書房 2025年10月24日 第1刷発行 四六判 / 216頁 “行政やデベロッパー主導の「まちづくり」に「わたし」は居ない。町にはひとりぼっちで居られる場所も、ひそかに涙を流す場所も必要だ。” ——森まゆみさん “暮らしに対して、ひとりひとりが誠実であるとはどういうことか。こういうことだったのだ。” ——武田砂鉄さん 【内容】 都市計画の中で妊婦や子どもや障害者や女性や高齢者の存在が想定されていないこと、安全で快適な空間のためにホームレスの人々が排除されてきたこと、「公園まちづくり制度」の名の下に緑豊かな公園がなぜか消えていくこと、歴史ある町並みや昔ながらの銭湯を残すのがこんなにも難しいこと、「創造的復興」が被災者の生活再建に結びつかないこと—— 目の前にあるまちは、どのようにして今あるかたちになったのか。誰がそれに同意したのか。住民にまちを変えていく力はあるのか。「みんなのため」に進められる再開発の矛盾に目を凝らし、その暴力性に抗っていくために、専門家や行政の言葉ではなく、生活にねざした言葉でまちを語り直したい。 “すベて景色の前には「言葉」がある。わたしたちは「言葉」でまちをつくってきた。ある日突然、そこにブルドーザーが現れるのではない。必ず、その前に「言葉」がある。だからその「言葉」が変われば、ブルドーザーの現れ方も、立ち入り方も、去り方も変わり、まちのかたちも変わる。”(本文より) 「まちづくり」に関わるようになって約20年、現場で味わった絶望と反省を、各地で受け取った希望を、忘れないために記録する。ごくふつうの生活者たちに捧げる抵抗の随筆集。 (柏書房のサイトより) 繰り返しになるが、わたしたちは居場所を失う「言葉」も、守る「言葉」も、つくる「言葉」も持っている。持っているはずである。わたしは、「過去」や「他者」に居場所を与えるような「まちづくり」にこそ未来があるのであって、そうでない「まちづくり」に未来はないと思っている。だから今、こうして「言葉」を探そうとしている。あなたはそれをどう思うだろうか。もしよければ、あなたの言葉で教えてほしい。どんなにささやかでも、そうやって言葉を重ねていくことから始めたい。 ——第2回 神宮外苑の再開発 / p35より さて。わたしたちは脆弱な人の支援を求めるとき、そのことが人道的に正しい施策であるかどうかよりも、それによって経済的な効果があるのだと言わなくてはいけない(と思わされている)。支援を受けることによって、自立的な働き手 / 経済成長の担い手 / 将来の納税者となります。あるいは、将来の社会保障費の低減につながります、と。そんな物語が、個人の自由や平等、人権の尊重という物語よりも断然、優先度が高いとされている。(…)経済効果と無関係に、必要なものは必要だと言えない社会。経済効果を経由しないと、命が大事、弱者が大事と言えない社会に、わたしたちは住んでいる。 ——第6回 自分の家のように感じる(でも家ではない) / p96より まちは言葉でできている。関係をつなぐ言葉で日常はつくっていけるはずだ。祈りのような言葉でもある。そのことを教えてくださった、みなさんへ。 ——おわりに / p211より [目次] はじめに 第1部 再開発の言葉  第1回 モア4番街のオープンカフェ  第2回 神宮外苑の再開発  第3回 生きられる町並み  第4回 誕生を祝うまち  第5回 「東京大改造」は持続可能な開発か?  第2部 足もとの言葉  第6回 自分の家のように感じる(でも家ではない)  第7回 頼りなく外へ出る  第8回 百年の森林(もり)を生きる  第9回 「取るに足りなさ」との闘い  第10回 コモンズを破壊しない建築は可能か?   第11回 「創造的復興」——能登から問い直す  第12回 普通に一緒にいる——外国ルーツの人々  第13回 足裏の記憶——『大邱の敵産家屋』と森崎和江  第14回 覚えていたい——認知症と高齢者 おわりに

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