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何が私をこうさせたか 金子ふみ子獄中手記

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発行 / 春秋社 1931年7月10日 初版第1刷発行 2026年2月20日 普及版第1刷発行 四六判 / 344頁 大正時代、貧困と虐待に抗して懸命に生き、のちに朝鮮人革命家・朴烈とともに大逆罪に問われ獄中で自死した女性が綴る自らの生涯。没後100年を迎えるにあたり、死後の五年後に刊行された1931年初版の「記録」を復刊。 高島鈴氏推薦! 「百年の時を超えて、胸ぐらを掴まれる。 あなたの生きざまが、まなざしが、 今も私ごと、世界を激しく貫いている。」 (公式サイトより) ああ、地上に学校というものさえなかったら、私はあんなにも泣かなくって済んだだろう。だが、そうすると、あの子供達の上にああした悦びは見られなかったろう。 無論、その頃の私はまだ、あらゆる人の悦びは、他人の悲しみによってのみ支えられているということを知らなかったのだった。 ——父 / p27より とはいえ、父が「貴様が来てから家はもめだした」と言ったのは事実である。今まで記して来たように、私と父とは何から何まで気が合わなかった。意見も合わなかった。ことに、叔父の一件から、私達は殆ど敵同志のようになっていた。二つの相容れない心は、どちらかがどちらかを斃さねば止まないような状態にまでなっていた。私はこれを知っていた。私は父のところを去ろうと思っていた。ただ、その時期を待っていただけなのだ。そして今やその時が来たのだ。 ——性の渦巻 / p226より 人々から偉いといわれる事に何の値打ちがあろう。私は人のために生きているのではない。私は私自身の真の満足と自由とを得なければならないのではないか。私は私自身でなければならぬ。 私はあまりに多く他人の奴隷となりすぎて来た。余りにも多く男のおもちゃにされて来た。私は私自身を生きていなかった。 私は私自身の仕事をしなければならぬ。そうだ、私自身の仕事をだ。しかし、その私自身の仕事とは何であるか。私はそれを知りたい。知ってそれを実行してみたい。 ——仕事へ! 私自身の仕事へ! / p320より [目次] 忘れ得ぬ面影(栗原一男) 添削されるに就いての私の希望(金子ふみ) 手記の初めに 父 母 小林の生れ故郷 母の実家 新しい家 芙江 岩下家 朝鮮での私の生活 村に還る 虎口へ 性の渦巻 父よ、さらば 東京へ! 大叔父の家 新聞売子 露天商人 女中奉公 街の放浪者 仕事へ! 私自身の仕事へ! 手記の後に 金子文子略年譜

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