2021年7月22日 発行
200部限定
A5判(147mm×210mm) / 60頁
旅行に行きたいと思う。ここでなく、あ、なるべく県外で、人間がその人の生活をしている場所ならどこでもいい。
「六月十六日」p.11より
現役大学生の著者による、2021年5月28日から6月28日までと、2020年8月27日から9月27日までの日記。
日々の出来事と、思索。そして、怒りや、不満や、おそれといったものさえ、自分自身のことばで捉えていこうとする、赤裸々な記録です。
ここでは、目をそらさずに自身と向き合い、考えを巡らせ、ことばを綴り、生きようとする著者の内面の輪郭に触れることができます。
自分に対する、また社会に対する著者の真っ直ぐなまなざしは、彼女の文章に息づいているように思うので、ここに、いくつか引用します。
手紙を書く。自分の中のその人、に当てて書いている。どこまでも「自分に向けて書く」がつきまとう。
「六月一日」p.8より
あああ難しい難しい、人間を人間として見ること、人間を人間にすること、難しい。できたとしても、なんだかまだ恐ろしいことが、たくさんあるわ。
「六月二一日」p.19より
吉行理恵について考える、ていうか、思いを馳せてた。私にとってそれは、遠まわしに自分をいたわること、になっている。吉行理恵。
「九月二一日」p.45より
また、ともに収められている、カーソン・マッカラーズ「結婚式のメンバー」についての文章では、著者の読む力と書く力を存分に味わう、豊かな体験ができます。
目次
まえがき—著者および冊子について—
(ほぼ)現在進行形編
夏編・秋編
書き下ろし 鏡(カーソン・マッカラーズ『結婚式のメンバー』のこと)
『パンの耳』の由来