七月堂
発行 2022年5月23日
110mm×160mm / 344頁
黒い小箱のラベル付(画像2枚目を参照)
男は
毎晩
つめたい星の
ひとつひとつを数えているうちに
純粋な空になってしまった
「純粋な空」p.70より
くすり指の浜辺に君は泳いで
奔放を許されたるや百日紅
「粥彦の句」より抜粋
詩人 西尾勝彦さんの詩文集。
絶版となっている詩集「光ったり眠ったりしているものたち」をはじめ、私家版やフリーペーパーなどに掲載された作品と、書き下ろしの随筆や俳句がたっぷりと収められています。西尾さんの文章を堪能するのにぴったりの、たまらなく嬉しい一冊です。
西尾勝彦さんの詩は、ほのかで、やさしくて、どっしりとしています。
この詩集には、わたしたちがいつも過ごしている忙しい時間に属さない、もっとずっと、ゆたかに肥えた時がながれています。そのリズムにとっぷりと浸かると、いつのまにか、安心した、穏やかな生きものになっています。
胸のうちの、いつもは意識しない部分が、満たされていくことに気付きます。
大衆にむけて大声で語りかけるのではなく、片隅でちいさく口ずさんでいるので、著者の声はとてもささやかです。
こころを静かにして、けっして急がず、耳を澄ませて、ページをめくっていただきたいです。
目次
詩 光ったり眠ったりしているものたち
随筆詩 古い東洋人
評論 「亀之助気質」をお持ちの方へ
小文集 ならならのひと
随筆 なんだか眠いのです
俳句 粥彦の句
詩 平穏と無事
初出一覧