装画 nao
2020年8月29日 第一刷 発行
B6判変形 / 80頁
静かな眠りはさみしそうです
微笑むのは光の角度です
それはわたしの部屋
カーテンはとうになくなり
惰性は意思を消し去ります
部屋にあるのは電灯でしょうか
たった一本の細い力
星々に繋がる線に先立たれ
灯すのは答えではなく謎でしょう
それはわたしの部屋
——光 / p62
「パートナーが免疫系の難病を発症して十年がすぎ、その日々の静かな詩を編みました。先の見えない今だからこそどうしても形にしておきたかった、無力感と祈りの詩集です。(フルフラ堂のサイトより抜粋)」
かなしみを湛えた詩である——そんな先入観に寄り添うような、わかりやすい詩は、ここにはありません。
そのような、安易な理解、詩そのものでなく “情報”により、わかりやすく名付けられ、規定されることを、きっぱりと拒絶する詩集です。
ひとりで、この詩集のまえにからっぽの体で立ったとき、どこか神聖な気持ちになってゆくことに気づきます。