フルフラ堂
装画 / nao
2023年8月29日 発行
B6変(118mm×182mm) / 104頁
その日
積もった雪はむき出しで輝いていた
空のさびが一片一片
裏返った臓器のように
内を外にたたえて
傷つけられるためだけに
正しく積もっていた
——積雪 / p28より
世界にはさまざまな力があふれている。
日々あちこちで目に飛びこんでくるような、支配し制圧するものばかりが力ではない。維持したり、変化をさせたり、結び合わせたりする力もある。ふだんは意識しない、ひそやかでいて、しかしとても大切な力。
——エッセイ なでる / p35より
夜明け前
池の水は澄んでいて
沈んだ混沌がよく見える
——池 / p82より
喪失から生まれた詩と、三篇のエッセイ。
前詩集『静けさを水に、かきまわす』の流れを汲んだもので、装画は同じくパートナーの nao による顔彩画。
表紙には銀箔押し加工をしています。前詩集同様、紙にもこだわった一冊です。
(フルフラ堂のサイトより)
[目次]
Ⅰ
二行詩
音
消失
ひとつ
今日
水猫
風猫
花びら
光
積雪
朝
エッセイ なでる
Ⅱ
二行詩
木の葉
息
骨
雨
隕石
蜜柑
落ち葉
私事
遠い風
橋
エッセイ 手の甲
Ⅲ
二行詩
底
散歩
夏夜
眩暈
雨骨
池
点
窓辺
明日
エッセイ ほどける
絵 —装画に寄せて—
あとがき