2024年12月1日 初版第1刷発行
B6判 / 187頁
この度、『ドロップぽろぽろ』という本を作りました。はじめての私家版エッセイ集です。夏からコツコツ準備してきたものがようやく形になりました。
テーマは「ぽろぽろこぼした涙の記憶」。だけど、ちっとも悲しい本ではありません。
何かを訴えたり、求めたり。そんな意味のある涙ではないのです。ただ、うれしかったり悲しかったり。こらえようと思ったけれども、ぽろぽろ流れてしまった小さな涙について書いた、大人のあなたに送る11編のエッセイ集です。
(著者のInstagram投稿より)
それから夫婦のお宅にお邪魔したりして、3人で楽しくお鍋をつついたりさせてもらうようにもなった。いい人といい人がふたりで住む部屋は、とてもやさしい場所だった。
「幸せになったんだなあ」
わたしは真冬でもうれしくて飛び跳ねるようにして帰った。
——アーモンドの予感 / p40より
「子どもの頃の自分」というのは、たしかに生きていくうえでとても大事な存在なのだけど、20代の頃の宇宙を遊泳しているみたいなたのしさ、さみしさを抱えていた時期も、人生の宝物みたいだったなと思う。
家族の世界から飛び出た宇宙遊泳も、わたしはとてもとても好きだった。
そしてさらに思うのは、わたしの「ひとり暮らし」とは、「自分との濃密なふたり暮らし」だったのだなあ、ということ。
——あの朝とベーコンハンバーグ / p102より
人は何歳になるのもはじめてなのに、みんな「平気」のような顔をして、その人だけの暮らしを一生懸命積み重ねながら生きているのだ。それは苦しくもあるけれど、前を歩いてくれていた人たちがいることは、どれだけ心強いことか。
「人間って偉いよなあ」
そんなことを思いながら、今日も月の下を歩く。
——スーパーマンじゃない / p179より
[目次]
はじめに
神様のテスト
アーモンドの予感
ショッキング・ピンク・ショック
梅の花
お母さーん!
アドベンチャー
あの朝とベーコンハンバーグ
湿布のアイス
チロリン村
あなたへの旅
スーパーマンじゃない
あとがき