発行 / 朝日新聞出版
2024年1月30日 第1刷発行
B6判 / 204頁
SNSや各種メディアで大反響!
面白いのになんだか泣けます。
生卵を育てさせる先生、元スパイの祖母、娘を山に放り投げる母……。一筋縄ではいかない人間模様を描いたnoteで人気のエッセイを、大幅加筆して書籍化。
いま大注目の書き手による初著書です!
(朝日新聞出版のサイトより)
しかしながら私の愛した祖父が、自分の愛した妻の通称を私に贈ってくれたというのもまた紛れもない事実である。誰に信じてもらえずとも、世界中で私一人だけを今もなお祖父母の愛が満たしてくれていると思うと、なんとなく贅沢に感じる話なのだった。
——名前の由来 / p83より
友だちとは結婚のように書類で結ばれる契約でもなければ、親きょうだいのように否応なく決まった関係でもない。あくまで「私たちって友だちだよね」というお互いの認識だけで成り立っている、実に不確かで脆い関係だ。その触ることのできない透明な縁に色をつけてくれる友人に恵まれた私は、このうえない幸せ者なのである。
——結婚式の招待状/ p143より
親の意向に反発ばかりしていた自分ははたから見ればとんでもないヤツには違いないのだが、今の私はあの頃の自分に少なからず恩と敬意がある。自分の気持ちを押し殺して親の言うこと全てに従っていたら、絶対に今の私はいないからだ。幼少期を振り返ると辛い思い出ばかりが先に顔を出すが、この程度の傷で済んだのはあの時泣いてあばれて「嫌だ」という意思を表明してくれた自分のおかげだろう。
——あとがき / p202より
[目次]
はじめに
学生結婚と子育て
夏休みの宿題
教室に響く銃声
先生との契約
やさしい裏切り
200円の使い道
私はゴリラ
庭木のピアノ
巫女のアルバイト
成人の日
名前の由来
祖父への質問
母の教育方針
4歳の家出
捨て子の生き延び方
実らぬ恋
パステルブルーの指先
結婚式に来なかった姉
結婚式の招待状
せんせいって、だれのこと
うんちソムリエ
姉からの鉄槌
いい夫婦
義父とメダカ
走れ!たとえ痴女と思われようとも
4月のママチャリロードレース
ひろみちおにいさんといっしょ
あとがき