発行 / 生活綴方出版部
2025年4月19日 初版第1刷
B6判 / 68頁
今思えば、あれは私の生存戦略だったのかもしれない。明け透けさが功を奏したのかは分からないけれど、紆余曲折あって、今ではおやつが買える程度にはお金に困っていない。
ふと、まわりの友人・知人たちにも一人ひとり、生きるための個人的な戦略があるのかもしれないと思った。日々の生活で大切にしていること、仕事のポリシー、日常のちょっとした創意工夫。もしくは諦めたこと。前へ前へと精力的に進むためだけではない、戦略と呼ぶにはささやかなもの。それを明かしてもらっていいのか迷いつつ、聞いてみたい、読んでみたい。——という気持ちで今回の文集をつくらせてもらいました。
——はじめに / p3より
可笑しさとは、詰まるところどうしてこうなった? という事態が発するものであり、またそれを肯定する心の動きである。どうしてこうなったのだろうと疑問が湧く、どうしようもない事態に途方に暮れる。そこに私は可笑しさを感じているようなのだ。そして、ふと気づく。その「どうしてこうなった?」は、当の私にこそ向けられる。懸命に可笑しさを探している私がいちばん可笑しいのだ。
——可笑しなことを見つけて生きていく / p13より
たとえば、生きることに執着しない、という生き方。無計画でいる、という人生計画。生存戦略なんて持たない、という生存戦略。こうした逆説だって、一見あべこべなようでいて、試しに書いてみれば僕にはずいぶんとしっくりくる。なんというか、生の否定と肯定のあいだの汽水域にぷかぷか浮かぶような、心をゆるくフロウさせた感じが実にいい。
——アドリブ主義で生きてみる / p62より
[目次]
はじめに
黒を着る(金子晴子)
可笑しなことを見つけて生きていく(友田とん)
愛を注ぐ(玉田正)
ペンを執る。飯を炊く。(柏井優佳)
ディディと歩きながら(関根愛)
本が生き残るしくみ(河波雄大)
ドラムとラテン語(そいそい)
痛いのシミュレーション(あおきまみ)
アドリブ主義で生きてみる(石垣慧)