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訳者 / 河野真太郎
発行 / 人文書院
2025年6月30日 初版第1刷発行
四六判 / 270頁
「働く母になり、バランスよく幸せに生きろ」
20代ではキャリアを、30代では育児を。すべてが女性の肩にのしかかる「自己責任化」を促す、新自由主義的なフェミニズムの出現とは? 果たしてそれはフェミニズムと呼べるのか?
Facebook(現Meta)の元COOシェリル・サンドバーグやイヴァンカ・トランプらのエッセイ、マミー・ブログやドラマ等を分析し、若い女性たちに示される「幸せな」人生の選択肢とその隘路を問う。アメリカ・フェミニズムのいまを映し出す待望の邦訳。
(人文書院のサイトより)
ロッテンバーグはネオリベラル・フェミニズムが家族とキャリアとのあいだの「バランス」を維持することに専心していることを容赦なくあきらかにしている。彼女は、この自己への焦点が、とりわけ個人の充足の「費用便益計算」の強調(とはいえ、帳尻を合わせるためには低賃金の外注化されたケア労働に依存するのだが)というかたちでいかにネオリベラルな合理性とぴったりかみ合っているかを示している。ネオリベラル・フェミニズムは、あらゆる女性に利益を与えるのではなく、女性を上昇志向の集団とそうではない集団へと分断し、二つのグループに異なる役割と期待を付与するのである。
——序言 / p6より
スローターはあきらかに、どうしてこれほど数少ない高い地位の特権的な女性しか「すべてを持つ」ことができておらず、どうしてさらに少数の女性しか「幸福=適切(happily)」にすべてを持つことができていないのかを理解したいという欲求に突き動かされている。さらに、彼女は自分の個人的な逸話を、そういった女性たちの不幸は、個人的な問題ではなく、より広い社会的問題にほかならないということを強調する方法として利用している。
——第1章 スーパーウーマンはいかにしてバランスを取ったのか / p60より
いまここに生きることは、現状に対する情動的な投資を制度化し、同時に私たちの生活の最も内密な側面——つまり、私たちの心的生活——を、市場の測定法によって染めあげられたものへとさらに変容させる後押しをする。その測定法においては、経済的観点でとらえられるのであれ、情動的な観点でとらえられるのであれ、適切な志向性と投資が利益の確保を約束する。
——第4章 バック・フロム・ザ・フューチャー / p161より
[目次]
序言
謝辞
序章 ネオリベラル時代のフェミニズム
第1章 スーパーウーマンはいかにしてバランスを取ったのか
第2章 ネオリベラル・フェミニスト
第3章 ネオリベラルな未来性と総称的な人的資本
第4章 バック・フロム・ザ・フューチャー
第5章 フェミニズムの収斂
第6章 フェミニズムを取り戻す
訳者解題
注
文献一覧
事項索引