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牛泥棒 / オカワダアキナ

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2025年5月11日 発行 B6判 / 160頁 空っ風吹く町に立ち現れる、性的なるもの。 イエから逸れた者たちの遁走 全三編 団地を飛び出し歯を飾る少女(「ティアラ」)、 ポニーに逃げられ、母親から逃げる男(「ルルイエ団地」)、 プールの中で抱きあう父親たち(「牛泥棒」)……。 短編クィア小説集。 3万字くらいの短編が3つ入った本です。 -------------- 表題作「牛泥棒」は書き下ろし。 「ティアラ」は不幸な少女アンソロジー『シンデレラ・ストーリーズ』(2020)に寄稿したもの。太宰治賞一時通過作。 「ルルイエ団地」は8歳から始めるクトゥルフ神話アンソロジー『しるべのみちをかたる鵺』(2023)に寄稿したものです。 (著者のサイトより) 私は誰にも話しかけることができなくて水面と水底を行ったり来たりした。素敵な人たちはいたが輪に入っていけなかった。人間しかいないところで自分が人魚であることを隠すのに疲れて、自分以外の人魚の人と知り合いになりたかったのだが、いざパーティーに来たらうまくいかなかった。人間だけの場所でおれだけ人魚だからだめなのかと思っていた。でも人魚の場所へ来てみても、それはそれで難しかった。まあそうか。結局のところ、気が合うとか見た目が好きとか話していて楽しいとかそういうのは、人間同士だって人魚同士だって同じことだろう。 ——牛泥棒 / p29より 諸悪の根源は伯父であると、とりあえずの悪者を作っておき、そうするとかなり丸く収まった。べつに伯父を憎んでいるわけではないが、いやなものをなんでも放りこんでよい穴があると家や気持ちはうまく片付いた。 ——ティアラ / p63より 「悪魔さん、かわいい」 「自分でもそう思うね、最近」 「前はそうじゃなかった?」 「うん。でもあんまり思い出せない」 ——ルルイエ団地 / p146より [目次] 牛泥棒 ティアラ ルルイエ団地

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