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発行 / 河出書房新社
2026年6月30日 初版発行
A6判 / 592頁
*期間限定ステッカー封入
英訳がイギリスで4冠、世界40か国で翻訳され累計170万部! 婚活連続殺人事件の女性容疑者と女性記者の対話を通じ、欲望と食と女の生を描き出す傑作長編。世界が熱狂する衝撃のダーク・スリラー。
世界が熱狂。
女と女の衝撃のダーク・スリラー
累計170万部突破。イギリスで4冠達成。
40か国・地域で翻訳された世界的ベストセラー
男たちを虜にし、死へと追いやったとされる
婚活連続殺人事件の女性容疑者・梶井真奈子。
彼女に接見を重ねる週刊誌記者・町田里佳。
拘置所のアクリル板越しに語られる、濃厚なバターと食の快楽に、里佳の日常は静かに崩れ始める——
女性の欲望と痛みを鮮烈に問い直す傑作長篇
「どうしても、許せないものが二つだけある。フェミニストとマーガリンです」
(河出書房新社のサイトより)
型から溢れてふっくら膨らんだケーキの高さは、そのまま盾になって里佳を守ってくれそうだった。壁を築くとは何も肩をいからせ、他者を拒絶することではない。一人の作業に没頭し、おのれの砦を守ることではないだろうか。壁の素材は硬いレンガや冷たいコンクリートではなくても構わない。甘く柔らかいお菓子だっていいのだ。
——BUTTER / p204より
目の前でおっとり微笑む十三歳の少女のようなこのひとと、こちらを押しのけるようにして執拗に取材を進めたあの女。どちらかが本当なのではなく、どちらも本当なのだろう。今の里佳にはそれがすんなりと受け入れられた。以前の自分は、一ミリの矛盾も、ほんのちょっぴりの隠し味の混入も、絶対に許せなかったのだ。
——BUTTER / p288より
私も「こんなものに影響されてたまるか!」と反感を持っているものでも、日々目にしているうちに深いところに根を下ろし、その価値観に影響を受けていることがよくあります。正直、『BUTTER』を好きじゃない、なんで売れているのかさっぱりわからない人も大勢いると思うんですが、こうして賞をいただき、今日この会場に来ている皆様に報道していただけることで、また少なくない影響を世の中に与えていくんだと思うんです。こういう話が今読まれている、という情報がやがて影響になり、そうやって社会というものは形作られていくんだな、と最近よく思います。
——野間出版文化賞受賞スピーチ / p560より
[目次]
BUTTER
帝国ホテルですてきな立食パーティーを(野間出版文化賞受賞スピーチ)
どんな場所にも小説とカラオケはある(イギリスツアー日記)
解説 鴻巣友季子