発行 / ナナロク社
2019年7月21日 初版第1刷発行
B5変 / 42頁
たぷの里のこと①
藤岡さんはいつか児童書を絵付きで書かれたらと思ってます。
絵本なら、いまいちばん作りたいんですよ。例えば「たぷの里」という力士が・・・
というような会話が、LINEの履歴に残っている。相手はナナロク社の村井さん。これは今から2年前、1ページギャグ漫画をまとめた『藤岡拓太郎作品集 夏がとまらない』(ナナロク社)を出版した頃のこと。しかし、特にそれからラフを作ったりすることもなく、2017年は暮れていった。
※ラフ・・・全体の流れを大まかな絵で描いたもの。漫画でいえばネームのこと。
2018年5月、祖母の葬式で向かった愛媛にて。ちょっと前まで小学生だったやんという従弟に娘が生まれていて、その赤ん坊を抱っこした時に、あ、絵本つくろう、と思った。
絵本の世界というのはほんとに名作だらけで、お前がこれ以上何かを作る必要があるのですかという気分が続いていたのだが、赤ん坊はすごい。そんなことはどうでもいいから描いてみたらええんや、と全身で教えてくれる。この赤子がもう少し大きくなった頃に、今とは違う意味で這いつくばって笑い転げるような絵本を、とにかく作り始めてみようと思った。
目指したのは、ただただ笑える絵本。子供も笑えば、親のほうもまともに読み聞かせができないぐらい笑ってしまう絵本。絵本かぁ、と小バカにしながらなんとなく手に取った中坊も吹き出してしまう絵本。
アイデアをぐつぐつ煮込んでいって、再び年を越し、ことしの1月にラフの第1稿ができる。粘る村井さんに何度も見せては描き直し、4月にようやく原稿が完成。いい絵本ができた。自分で言ってしまうが、めちゃんこいい絵本ができた。
(2019年5月 藤岡拓太郎)
(版元のサイトより)