発行 / 小学館
2026年3月10日 初版第1刷発行
B6判 / 116頁
待望の復刻! 五味太郎の名エッセイ集
1997年に刊行され、多くの読者の心をとらえた五味太郎のエッセイ集『そういうことなんだ』が装いも新たに再登場。
なんとなく複雑で、なんだか難しく見えるこの世界。けれど、複雑にしているのも、難しくしているのも、人間のやること。その”やること”をすこしすっきりさせれば、世界だってすこしすっきり見えてくる——そんな五味太郎の視点で綴られた52のエッセイ。
スマホもSNSもなかった時代に書かれた言葉なのに、人間の本質を捉えるまなざしとユーモアは、むしろ今の時代にこそ新鮮に刺さり、響きます。考えすぎて疲れたとき、立ち止まって物事を見直したいとき、ページを開けば、肩の力がふっと抜けるはず。子どもから大人まで、読む人それぞれの「そういうことなんだ」が見つかります。
少しの加筆訂正をほどこし、祖父江慎のアートディレクションによって現代の空気をまとった新装版。変化の激しい時代だからこそ、手元に置いて何度も読み返したくなる一冊です。
(版元のサイトより)
ごく主体的に「洗濯する」「ゴキブリを退治する」「宅配便を出しにゆく」「トラクターを売り込む」「高層ビルを買収する」「死体を埋める」などの行動をする場合は「働く」という言い方はあまりしません。具体的に〇〇する、と言います。あまり主体性がなく、働かされているようなとき、ぼんやりと「働く」という言い方をします。
——働くということ / p8より
暑さ寒さをしのぐためによく用いられる行為です。特に北半球では寒さに対応することが大切な行為ですから、その準備として秋が恋の季節ということになります。
(蛇足)とりあえず毛布、コタツ、ストーブあるいは扇風機、クーラー等のことをイメージして書きましたが、いわゆる心の暑さ寒さのことも少しはあります。
——恋をするということ / p48より
たとえば「借金をする、ということ」とか、「麻雀を打つ、ということ」とか、「資源問題を考える、ということ」とか、「娘たちを仲良くする、ということ」とか、「本を書く、ということ」などなどに関しては、いまのところ、うん、そういうことなんですよ、とはすんなりとゆきませんでしたので、やめました。ごきげんよう。
——あとがき(1997年) / p108より
[目次]
まえがき
考えるということ
学校にゆくということ
働くということ
怠けるということ
学ぶということ
相談するということ
貯金するということ
占うということ
盗むということ
家庭を作るということ
食事をするということ
尊敬するということ
病院にゆくということ
好むということ
嫌うということ
裏切るということ
旅をするということ
努力するということ
浮気するということ
歯を磨くということ
出産するということ
反省するということ
恋をするということ
賭けるということ
日記をつけるということ
自殺するということ
約束するということ
嘘をつくということ
整形するということ
生命保険を掛けるということ
信仰するということ
化粧するということ
就職するということ
貧乏するということ
幸せになるということ
結婚するということ
嫉妬するということ
指導するということ
騙すということ
ボランティアをするということ
寝るということ
死ぬということ
人を助けるということ
風呂に入るということ
生きるということ
悩みをもつということ
酒を飲むということ
ボーッとしているということ
愛するということ
民主主義でゆくということ
大人になるということ
自由であるということ
あとがき(1997年)
再あとがき(2025年)